世界の果てに - 百年の光 -
突っかかって、ケンカして。
それでもいつの間にか、居心地の良い空間になっていた。
「あたしとエルの距離は、このぐらいがちょうどいいんだよ」
あはは、と笑うと、急にエルのデコピンが飛んだ。
「いっ…たーい!いきなり何すん…」
「ちびっこのくせに、大人んなったじゃねぇか」
意地悪に笑う、エルの顔。
何度も見慣れたもののはずなのに、いつもと違う感じがした。
「…ち、ちびっこじゃないってば」
その違和感がむず痒くて、あたしはそう文句を言いながら顔を背ける。
アスティが、面白そうに微笑んでいるのが目に入った。
「あとちょっとでユピカだよ。頑張ろう」
「余裕だな。おいちびっこ、へばるなよ」
「あたしだって、まだ平気だもん!っていうか、ちびっこじゃないってば!」
そこからいつもの日常が始まって、クリスに助けを求める。
クリスに宥めてもらいながら、あたしは確かに幸せを噛みしめていた。
―――それが、ほんの束の間の幸せだと気付かずに。