世界の果てに - 百年の光 -

「普通の人間、ねぇ…」


カクテルの入ったグラスを、オーガが片手で揺らす。


暫くそうしたあと、オーガはため息をついた。


「きっと俺が何言っても、お前は知らないって言い切るんだろーな」


不意に向けられた視線に、記憶の奥が疼いた。


…やっぱり、オーガには…昔、どこかで…。


「これから俺が全てを話したら、アスティも話してくれるか?」


「……何、を…」


「俺は別に、敵になろうってワケじゃないし」


まぁ味方でもないかもしれないけど、とオーガは苦笑する。


真意が分からずに、オレは言葉に困った。


「まず最初に、言うことがある。…俺はアスティのことを、遠い昔から知っていた」


「………!」


オレが目を見張ると、オーガは面白そうに笑った。


「思い出したか?ヒントは…」


―――――アメルティカ。

< 310 / 616 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop