世界の果てに - 百年の光 -
「普通の人間、ねぇ…」
カクテルの入ったグラスを、オーガが片手で揺らす。
暫くそうしたあと、オーガはため息をついた。
「きっと俺が何言っても、お前は知らないって言い切るんだろーな」
不意に向けられた視線に、記憶の奥が疼いた。
…やっぱり、オーガには…昔、どこかで…。
「これから俺が全てを話したら、アスティも話してくれるか?」
「……何、を…」
「俺は別に、敵になろうってワケじゃないし」
まぁ味方でもないかもしれないけど、とオーガは苦笑する。
真意が分からずに、オレは言葉に困った。
「まず最初に、言うことがある。…俺はアスティのことを、遠い昔から知っていた」
「………!」
オレが目を見張ると、オーガは面白そうに笑った。
「思い出したか?ヒントは…」
―――――アメルティカ。