世界の果てに - 百年の光 -
「うんざりだったんだよ。王族の暮らしに。窮屈な鳥籠の中の生活に、さ」
分かるだろ?と言うような視線が、オーガから向けられる。
「だから、視察という建前で、俺はアメルティカから解放された。もちろん、親父の監視からは逃れられないけどな」
オーガがオレの目の前に、右手を差し出す。
その手首に光る、金のブレスレットを見た瞬間、呼吸が止まりそうになった。
「…やっぱり、知ってたか」
オレの反応に、オーガは苦笑してそう言う。
…そのブレスレットは、リオがつけていたものに似すぎていた。
「それ、は…」
知らないとはぐらかすには、もう遅かった。
それよりも、今は目の前の現実が気になって仕方がない。
「これには、魔術がかけられてんだ。どこにいても、居場所が分かるように。…お前の連れのブレスレットにも、同じ魔術がかかってるはずだ」
言葉が見つからずに、オレはそのブレスレットをじっと見つめることしか出来なかった。
それなら、何故…?何故、リオはその魔術師に、見つかってないんだ?
それに…
「オーガは…その魔術をかけた人物を、知ってるってことだよね」
オレの問いに、オーガは曖昧に笑う。