世界の果てに - 百年の光 -
「知ってるっつーか…親父の側近だしな。つい最近も会ったし…」
「―――ちょっと待って」
呑気に話すオーガを遮る。
頭の中には、最悪の予感しかなかった。
オーガのブレスレットに、リオのブレスレット。
オーガの口振りからして、魔術をかけたのは同一人物で…アメルティカ国王の、側近。
ということは、つまり。
「アメルティカ国王が…リオを、生け贄としてこの世界に呼んだ…?」
自分で言った言葉が、信じられなかった。
けど、今は何を考えても、この答えにしか結び付かない。
「…へぇ、リオっていう子なんだ」
頬杖をつきながらオーガに言われ、自らの失敗に気付く。
それでももう、形振りになんか構っていられない。
「オーガは、生け贄の話を知ってるってことだよね?百年…いや、五十年前も、国王が生け贄を選んだの?」
「ちょ、落ち着けって」
食い付くようなオレの態度に、オーガは困ったように頭を掻く。