世界の果てに - 百年の光 -

∴絶ち切れない鎖


………‥‥


―――約束の時間から、一時間が経った。


「………」


粗末なベッドの上で、寝返りを打つ。


しっかりと目は開けたまま、俺は今回のことを考えていた。



帰ってこないアスティに、不安はない。


一時間も経ったということは、きっと会話が続いているんだろう。


「………」


それでもじっとしていられないのは、嫌な予感が渦巻いているから。


何に対しての予感なのか、自分でも分からないけど。



ゆっくりと起き上がると、俺は扉に視線を向けた。


…ちびっこは、どうせ寝れてないんだろうな。



知らずのうちに上がっていた口角に、ハッとして首を振る。


いやいやいや、何ニヤケてんだ俺。


「…早く帰ってこい、アスティ」


そう言いながらも、俺はベッドから起き上がる。

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