世界の果てに - 百年の光 -
………‥‥
やばい。うん、やばい。
あたしは冷や汗を流しながら、冷たい壁を背に、そう思っていた。
何がやばいのかっていうと、今あたしが置かれている状況だ。
繋がれた両手に、塞がれた口。足は辛うじて自由だけと、逃げようにも鉄格子があって逃げられない。
―――完璧、捕まった。
「~~~~~っ」
不幸としか言えない自分の捕まりやすさに、苛立ちを覚えた。
しかも今回は、部屋の扉を深く考えず開けたせい。
じわ、と涙が滲みそうになった時、声が掛けられた。
「―――やぁ、気分はどうかな」
最悪です!と言いたくても、出てくるのは「もごもご」という音だけ。
あたしはその声の主―――つまり、あたしを拐った張本人をキッと睨んだ。
癖のない金髪に、グレーの瞳。スラリと伸びた身長に、それでいて筋肉のついた身体。
ええ、かっこいいですとも。見た目はね!