世界の果てに - 百年の光 -
動揺を隠せないあたしに、ダルクはまた笑みを見せる。
その表情が、全てを物語っている気がした。
「…もしかして、エルたちのこと―――」
―――知ってるの?
その言葉は、凄まじい破壊音に掻き消された。
「!?」
ユーリがいち速く反応を示し、次いでダルクをキッと睨んだ。
「ちょっと!何なのよ!」
「何で僕を見て言うんだ?」
「あんたなら知ってんでしょ!」
ダルクはバレたか、というように苦笑する。
「…たぶん、馴染みの盗賊が来たんじゃないかな」
ユーリが眉を潜め、すぐにハッとした表情になる。
「まさか…」
「―――――ちびっこ!」
その声は、確かに聞こえた。
あたしは無意識に立ち上がると、有らん限りの大声で叫ぶ。
「エル―――――ッ!」
ドタドタと、誰かが駆ける音。
すぐに姿を現したのは、あたしの頭に浮かんだ顔だった。