世界の果てに - 百年の光 -

ハッと息を呑むと、ダルクが涼しい顔で剣先を避ける。


その後もエルが繰り出す刃を、ダルクは華麗に避けていく。


それにしても…ダルクは丸腰だって言うのに、エルってば容赦ないじゃない!



ふと視線の先に、楽しそうなアスティの顔が見えた。


全然心配してなさそうに見えるけど…


「~やめっ…」


「エ―――ル―――――ッ!!」


止めようとあたしが口を開くと、大声がそれを遮った。


「あん?…っわ、」


不機嫌そうに動きを止めたエルに、ユーリが勢いよく抱き付いた。


…ん?抱き付いた?


「てめっ、ユーリ!」


「久しぶりね、エル!会いたかったー!」


必死にユーリを体から剥がそうとするエルに対し、ユーリは力の限り抱き締めているように見えた。


その様子を見て、ダルクがやれやれと首を振る。


「全く。凄い態度の違いだなぁ」


「当たり前でしょ!っていうかエル、何でここに?」


可愛らしく首を傾げるユーリの質問に、エルが深いため息をついた。

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