世界の果てに - 百年の光 -
∴終わりの始まり
………‥‥
―――何で、何で…!
頭の中はもう、未だかつてないくらいにぐちゃぐちゃだった。
それ以上何も聞きたくなくて、俺はその場を飛び出した。
「……エルッ!」
ちびっこの声に、立ち止まる余裕なんてない。
そのまま階段を駆け上がると、待機していたオーガが顔を上げた。
「あ、終わった?もう待ちくたびれー…って、おい!?」
完全にオーガの前を素通りし、ダルクの家から出る。
外の空気が肌に触れ、少しだけ気分が良くなった。
「…エル、エルってば!」
懲りずに追いかけてくるちびっこの声に、俺はやっと立ち止まる。
振り返ると、ホッとしたようにちびっこが表情を和らげた。
「突然、走り出さないでよ…あ、これ外して」
両腕を前に出され、俺は眉を寄せる。
縄でぐるぐる巻きにされている所を見ると、ダルクの癖を思い出して苛ついた。
「…っていうか、お前はアホか」
「え」
キツい結び目をほどきながら、ちびっこを見ずに言い放つ。