世界の果てに - 百年の光 -
―――…十年前。
「お、わっ!」
「はい、俺の勝ち~」
ニヤッと不敵な笑みを浮かべ、俺を見る男。
肩まで伸ばされた金に近い髪に、キラリと光る多くのピアス。
見た目はチャラチャラした細くて弱そうな若い男。けど実年齢は不詳。
…そんな男は、俺の親代わりだったりした。
「ずっりーぞローアン!」
ギッと睨むと、喉元に突き付けられた刃が遠退く。
そのまま鞘に吸い込まれ、それは同時に、試合終了の合図でもあった。
「どこがずりーんだよ、ばぁか」
「俺が石に足とられたとこ狙っただろ!卑怯者!」
俺がびしっと指差す先の石を、ローアンの琥珀色の瞳が捉える。
すると、ローアンはハッと鼻で笑った。
「運も実力の内だ。負け惜しみは格好悪いぞエル」
「~っはああぁぁあ!?」
カチンときた俺は、右手にダラリとぶら下がっていた剣を構えた。