世界の果てに - 百年の光 -
「も―――!!何なのよさっきから!あんたは嫌味言うことしかできないわけ!?」
「あん!?正論言ってるだけだろーが!!」
「労りが足りないの!分かる?労り!」
「お前を労って俺らに得あんのか!?」
「…あ」
エルと言い合っていると、アスティが突然声を上げた。
あたしとエルは、睨み合いながらもお互いに口をつぐみ、アスティを見る。
「何だ、どうした」
エルが舌打ちしながら訊ねると、アスティが正面を指差した。
つられてその方向を見ると…
「―――街が見えたよ」
アスティの言う通り、あたしたちが歩く前方に、街並みが見えていた。
「わあ…!」
初めての世界で、初めての街。
遠くに見えるその光景に、あたしは思わず声を漏らした。
「あと少しだから、頑張ろう。リオ」
アスティに微笑まれ、あたしはぐっと言葉を詰まらせた。
…そうだ。
言い争ってる場合じゃないんだ。