世界の果てに - 百年の光 -
ローアンの言う"戦利品"とは、一言で言えば金目のモノ。
それを、俺たちはさっき盗んできた。
犯罪だとか言うなよ。これが俺たち盗賊の仕事であり、生きていく術なんだから。
「…へー。よくその量盗めたな」
「俺がいるんだから、あったり前だろ」
リュウの言葉にフフンと鼻を鳴らしてみせると、隣でローアンが「ほぼ俺の手柄だけどな」と呟く。
それを都合良く無視し、俺は口を開いた。
「とにかく、早く戻ろうぜ。みんな待ってんだろ」
「ははっ。そゆこと」
リュウが可笑しそうに笑い、ローアンに視線を向ける。
「みんな待ってるよ、大将?」
「大将って!せめてお頭にしろよ」
「早くしろおっさん」
「んだとこら、エル!」
今日もうるさいくらいに、笑い声が木霊する。
その空間が心地良いなんて、とっくの昔から分かってた。
俺が親に捨てられ、ローアンに拾われたあの日から、ずっと。