世界の果てに - 百年の光 -
「ああぁ~!ローアンさん帰ってきた!」
「どこほっつき歩いてたんですか!」
林を抜けると、すぐさま飛んでくる不平不満の声。
その声音とは反比例した、みんなの楽しそうな表情を見れば、ローアンの信頼度は言われなくても分かる。
「いやー悪い。エルに取っ捕まっててさ」
「あん!?ローアンだってノリノリだっただろ!」
ローアンの発言にムキになって反論すると、みんなが豪快に笑い出す。
俺たちのやり取りは、最早ここの見世物になっていた。
「…で、これがその戦利品だ」
ローアンが取り出した大きなバッグに、みんなは瞳を輝かせて群がる。
そりゃそうだ。ここ最近の質素な生活を思えば、これだけで随分豪華な飯にありつけるんだから。
―――――"月の咆哮"
それが、ローアン率いるこの盗賊集団の名前だった。
元は、ほんの少数の集団だったと聞く。
俺が出会った時は、既にこの大所帯だったけど。
「……騒がしいな」
戦利品に大騒ぎする仲間たちを横目に、俺は苦笑した。