世界の果てに - 百年の光 -
月の咆哮。
これほどまでに、俺たちにピッタリと合う名前はないと思う。
活動は主に、月に照らされる夜、時に嵐のように荒々しく、時に知られることなくひっそりと行われる。
―――強く美しく輝き、ひっそりと佇む月が、吠えたかのように。
「はいはい、そこまで!」
ローアンがパンと手のひらを打ち鳴らすと、ざわめきだっていたみんなが静かになる。
それを満足そうに眺め、ローアンが口を開いた。
「とりあえず、この先の街で換金する。それから生活の目処を立てる。異論は?」
どこからも声は上がらず、ローアンはニッと笑った。
「そいじゃ、出発するとしますか!」
「おー!!」
野太い声が辺りに響き、驚いた鳥たちが木から羽ばたいていく。
空の彼方へ消える、その姿を目で追っていると、リュウが声を掛けてきた。
「…エル、これを」
差し出された物を見て、俺は眉を寄せる。