世界の果てに - 百年の光 -
時は経ち、ある日のこと。
俺たちはとある街の外れ、森の一角に拠点を定め、活動していた。
「エル、不機嫌だな」
肌寒い気温が続く中、焚き火で暖をとっていると、リュウがそう言った。
俺は何も言わず、隣に座るリュウに視線を向ける。
「昨日のこと、気にしてるんだろ」
「別に」
「別にって言うなら、眉間のシワどうにかしろよ?」
素っ気なくしてみると、そう言い返され、苦笑までされた。
このヤロウ、大人の余裕ぶりやがって。
―――昨日、俺たちは奇襲にあった。
敵はこの周辺では名の知れた山賊で、俺たちに縄張りを荒らされたと言って乗り込んできた。
数では向こうが上回ったものの、実力は俺たちの方が強く、勝負は長引かなかった。
……けど。
「仕方ないさ。まだ実戦経験は浅いんだし…な?」
「………」
俺はその時、全く役に立てなかったんだ。