世界の果てに - 百年の光 -
「……くそ」
小声で悪態をついても、このもどかしさは消えない。
「おい、エルー?」
勢いよく立ち上がった俺に、誰かが声をかけてくる。
パチパチとはぜる薪に目を向けたまま、俺は誰にともなく言った。
「…ローアン、捜してくる」
「え?」
「あ、おい!エル!」
そうだ。最初からこうすれば良かった。
ローアンに言いたいだけ不満を言って、それで謝って、訓練に付き合ってもらえばいい。
そうすればきっと、あの親代わりは、笑いながら許してくれるんだ。
森を駆け抜け、街に出る。
ローアンは一人、食材を捜しにこの街に出てきているはずだった。
「………」
息を弾ませ、辺りに視線を巡らせる。
そんな都合よく、会える訳がないか…と思ったとき、人混みの奥に、その輝く金髪を見つけた。