世界の果てに - 百年の光 -
その姿に向かって、駆け出そうとした。
「ローア…」
俺の言葉は、そこで途切れた。
背後から口を塞がれ、急激に意識が遠退いていく。
…ああ。俺はやっぱり、迷惑をかけてばっかりだ―――…
「………」
ゆっくりと瞼を持ち上げると、ぼんやりとした意識のまま、辺りを見渡した。
見慣れない、洞窟のような場所。
ただひとつハッキリしているのは、ここにいるのは俺だけじゃないということ。
「お頭っ!ガキが目ェ覚ましましたぜっ!」
耳に障るガラガラ声の男。
その他にも、ガタイのいい人相の悪い奴らが、俺の回りをぐるりと取り囲んでいた。
「……よぉ、チビちゃん」
ボサボサの髪に、髭面のオヤジは、見覚えがあった。
昨日、俺たちに襲いかかってきた山賊の頭だ。
「………なるほどね」
俺はボソッと呟くと、ため息をついた。
頭が眉をひそめ、俺を睨む。