世界の果てに - 百年の光 -
「何がナルホドだって?」
「…要するに、俺は人質ってことだろ」
「へぇ。物分かりがいいなぁ、チビちゃん」
頭がニヤリと笑みを浮かべる。
俺は表情一つ変えずに、口を開いた。
「やってることがもう、敗北者のすることだな」
空気が、ピンと張りつめる。
明らかな怒気を感じたが、俺はそれを無視し、手足の自由を確かめる。
なめられたもんだな、俺も。…まぁ、昨日の俺は確かに弱かったけど。
「オイ、口を慎めよ。てめぇは役目を果たすために、まだ生かしておかなきゃなんねぇんだからよ」
そう言いながらも、頭が長剣を抜く。
俺は大きく深呼吸をすると、腰にある長剣をゆっくりと相手に向けた。
「俺から武器を盗らなかったこと、後悔させてやる」
大丈夫だ。今度はもう、立ち竦んでなんかいられない。
盗賊に恥じない戦いを、俺はしなきゃならないんだ。