世界の果てに - 百年の光 -

「何がナルホドだって?」


「…要するに、俺は人質ってことだろ」


「へぇ。物分かりがいいなぁ、チビちゃん」


頭がニヤリと笑みを浮かべる。


俺は表情一つ変えずに、口を開いた。



「やってることがもう、敗北者のすることだな」



空気が、ピンと張りつめる。


明らかな怒気を感じたが、俺はそれを無視し、手足の自由を確かめる。


なめられたもんだな、俺も。…まぁ、昨日の俺は確かに弱かったけど。


「オイ、口を慎めよ。てめぇは役目を果たすために、まだ生かしておかなきゃなんねぇんだからよ」


そう言いながらも、頭が長剣を抜く。


俺は大きく深呼吸をすると、腰にある長剣をゆっくりと相手に向けた。


「俺から武器を盗らなかったこと、後悔させてやる」


大丈夫だ。今度はもう、立ち竦んでなんかいられない。


盗賊に恥じない戦いを、俺はしなきゃならないんだ。

< 348 / 616 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop