世界の果てに - 百年の光 -

一触即発の空気の中、俺は相手から目を逸らさなかった。


ローアンから教わった、『まずは相手の目を見ろ。行動に移すとき、必ず何か目にも動きがある』という言葉を信じて。


「―――――…!」


それは、ほんの一瞬の出来事。


敵の影が霞んだかと思えば、突然目の前に現れていた。



それでも、何とか剣で攻撃を防ぐ。


相手の目が、僅かに細められたのが分かったから出来たこと。


「…サンキュー、ローアン」


重たい一撃を剣で受けながら、俺はそう呟く。


驚いている敵に反撃を繰り返すも、いとも簡単に受け流された。


「…ハッ、所詮ガキの力なんて、そんなもんなんだよ!」


「俺の力を…っ、お前が決めるな!」


精一杯の攻撃を、繰り返す。


それでも、俺だって分かる。このまま長引けば、俺の方が先に動けなくなることぐらい。





「―――――エル!」





…大きな声が響いたのは、その時だった。


< 349 / 616 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop