世界の果てに - 百年の光 -
一刻も早く、情報を集めなきゃ…。
あたしが勢いよく振り返ると、エルが目を丸くした。
その琥珀色の瞳を見据え、口を開く。
「……早く、行こ」
小さく呟いた言葉に、エルは瞳を細めると、フッと笑った。
「最初からそう言ってんだろ、バーカ」
今度の「バカ」は、不思議と頭にはこなくて。
だからあたしも、笑い返すことができた。
「はい二人とも、大変よくできましたー」
「子供か!」
アスティとエルのやり取りを聞きながら、あたしはもうすぐ辿り着く街を見つめた。
…逸るこの気持ちは、何だろう。
知らない世界にいるっていうのに…あたし、わくわくしてる?
「何笑ってんだちびっこ!」
「…よーし、行くわよッ!」
「わお、リオやる気満々」
勢いよく走り出すと、荷台が揺れたのか、エルが不満げに叫んで。
その声を背中で受けながら、あたしは真っ直ぐに街を目指した。