世界の果てに - 百年の光 -
お互いが手を止め、声のした方を見た。
そこにいたのは、間違いなく、ローアンと…"月の咆哮"の、仲間だ。
「……ローアン」
届かないはずの小さな呟きが、まるで聞こえたかのように、ローアンが微笑んだ。
けれど次の瞬間、威圧的な空気を纏う。
「…俺の仲間に手を出して、ただで済むと思うなよ」
「う…うるせぇっ!いけ、野郎共!」
昨日の惨劇が、また繰り返されようとしていた。
金属のぶつかり合う音が、辺りに木霊する。
「………っ、」
震えるな。戦うんだ、俺も!
自らを鼓舞し、俺は近くの敵に向かって走った。
―――人を斬る感覚に、俺は慣れることはないだろうと思う。
それでも、必死で剣を振るうのは、俺自身を、そして大事な仲間を守るためだ。
「ぐぁっ…」
「うっ!」
斬り伏せた敵を前に、俺は視線を巡らせた。
ローアンが、あの頭と一騎討ちをしている。