世界の果てに - 百年の光 -

どうしよう、と言うのを躊躇っていると、アスティが微笑んで頷いてくれた。


大丈夫、と言うように。


…エルに限っては、「さっさと言っちゃえよバカ」って顔に書いてあった。絶対。


「……実は、」


意を決してそう口を開くと、オーガは黙って先を促してくれた。


「その方法…首謀者を…オーガのお父さんを、倒すってことなの!」


ぎゅっと目を瞑って、最後は早口で言い切った。


「………」


何も言葉は返って来なくて、それが余計に緊張を煽る。


そろりと視線を上げて見れば、ポカンと口を開けるオーガがいた。


「…あの、オーガ?」


「………え?」


ハッと我に返ったように、オーガは目を見開く。


「や、ごめ…その、倒すって、つまりどういう意味かなーって」


「意味?」


「……殺す、とか」


―――――殺すぅ!?


物騒な単語が飛び出たことに驚いたけど、エルとアスティは平然としている。


…それは、オーガの言葉が予想の範囲内だったということで。

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