世界の果てに - 百年の光 -
それでも、オレンジの髪の隙間から見えた耳が、ほんのりと赤く染まっている気がして。
「………」
口許を緩めたまま、あたしは寝転がった。
頑なにこっちを見ようとしないエルが、可笑しくて堪らない。
「おやすみ、エル」
「………」
「おーやーすーみっ!」
「分かったから早く寝ろ!」
最後には怒鳴られたけど、心は相変わらず穏やかだった。
気づけば、エルに対するぎくしゃくした感じはなくなっていて、あたしは安心して目を瞑る。
今まで寝れなかったのが嘘のように、すぐに眠気が襲ってきた。
「………おやすみ」
ポツリと降ってきた声に、あたしは心地よく眠りへと落ちていった。
――――――…リオ…
誰かが、またあたしを呼んでいる…?