世界の果てに - 百年の光 -
「…羨ましい?」
『はい。過酷な状況なのに、前向きに立ち向かって…すごいです』
そんなクリスの言葉に、あたしは思わず苦笑する。
「すごくないよ。あたしが今、自分の足で歩いていけるのは…みんなのおかげだから」
「自分の足ぃ?思いっきりサボってんじゃねえか。嘘つけ」
「だっ!そういう意味じゃないっ!」
あたし今、すっごくいいこと言ったのに!エルのせいで台無し!
『…ふふ。そうですね。わたしも、みなさんに会えて…力を分けてもらえて嬉しいです』
「……一緒に頑張ろうね、クリス」
体を起こして、クリスの純白の鬣を撫でながら言う。
クリスの人間の姿かぁ…声も可愛らしいし、毛並みもいいし…きっとお嬢様みたいな子なんだろうな。
……って、あれ?
「ごめんクリス、そういえば聞いてない気がするんだけど」
『はい?』
「…クリスって、何歳?」
そう口にすると、先を歩くエルとアスティが、一斉に振り返る。