世界の果てに - 百年の光 -
「原因不明よ。他国から医者を呼んでも、分からないって言われて…お金がかかるし、それ以来呼んでないわ」
その答えに、あたしたち三人は自然と顔を見合わせる。
原因不明の病。それは、以前にも遭遇したことがあった。
「……ユランに、便りを出してみた?」
アスティが真っ先にそう訊くと、リエラは首を傾げる。
「ユラン…?」
「ここまでは噂が届いてないのかな。医療の発展した国だよ」
以前立ち寄った町でも、原因不明の病が流行っていて…アスティのお父さんも、それに感染してしまった。
けど、ユランという国に便りを出したら、簡単に解決したんだ。
それは嬉しい報せのはずなのに、リエラの表情は明るくならない。
「そんな国があったって、もっと前に分かっていたら…」
項垂れる様子を見て、あたしは体を乗り出した。
「今からでも、遅くないよね?何でそんなに…」
「遅いくらいよ。村人はもう、生け贄を捧げることでしか、救われないと思ってるから」
生け贄―――…。