世界の果てに - 百年の光 -
∴絶対、大丈夫
長老たちは、三日後に迎えに来ると短く言い残して、すぐに去っていった。
扉を閉めずに、リエラはその場に立ち竦んでいる。
その瞳はどこか遠くを見つめていて、胸がきゅうっと苦しくなった。
「……リエラ」
黙っていられずに名前を呼ぶと、リエラの肩がピクリと反応を示す。
ゆっくりと振り返ったその顔は…笑顔だった。
「いつか選ばれるなぁとは思ってたけど、まさか今日だったなんてね!」
「………っ」
「本当あんたたち、間の悪いときに居合わせたわねー。ごめんね、不快な思いさせちゃっ…」
「リエラ!」
あたしはリエラの言葉を遮ると、彼女の元へ近寄った。
僅かに震える手を、そっと握る。
「……無理、しないで」
そう言った瞬間、リエラの表情が歪んだ。
「無理なんて、してな…っ、うっ…」
緑色の瞳から次々と溢れる涙に、胸が痛む。