世界の果てに - 百年の光 -
世界を犠牲にしてまで、助けてもらうほどの重みは、あたしにはないのに。
…それでも、素直に嬉しいんだ。
「大丈夫だよ、アスティ。あたしは、この村のために生け贄になるわけじゃないよ?あたしが生きてやらなきゃいけないことは、ちゃんと分かってるから」
「じゃあ、何で…」
「リエラが生け贄として森に放り出されれるより、あたしが放り出された方が、生き延びれるんじゃないかなって」
そう答えると、エルが不機嫌そうに鼻を鳴らす。
「何を根拠に言ってんだ、バカ」
あたしは負けじと、偉そうに胸を張ってみせた。
「―――エルとアスティとクリスが、いるからよ!」
すごく良いことを言ったつもりなのに、当の本人たちときたら「何言ってんだコイツ」と言いたそうな顔を向けてきた。
それにイラッときて、あたしは続ける。
「だって!あたしが生け贄になってる間に、二人がユランに応援頼んだりして、病の原因を解明できればハッピーエンドでしょ!?」
「…何言ってんだコイツ」
「な!?」
何で憐れみの視線向けられるの!?