世界の果てに - 百年の光 -
「簡単に言ってんがな。ユランに応援を要請したってすぐ来るわけでもねぇし、原因もすぐ解明できるわけじゃねぇ」
「………」
「その間お前は、森ん中で生き延びれんのか?いや無理だな」
あたしが答える前に断定され、言い返そうと口を開く。
…けど全くその通りで、悔しいけど言葉を呑み込むしかなかった。
「ありがとね、リオ」
それまで黙っていたリエラが、あたしにそう言って微笑んだ。
「気持ちは嬉しいけど…それがこの村の決まりだから。あたしが生け贄になっている間、この村を救って欲しい」
「リエラ…!」
「生け贄になるのは、あたしで最後にして欲しいの」
お願いします、と頭を下げられ、あたしは唇をぎゅっと噛んだ。
リエラにだって、生け贄になんかなって欲しくないのに。
「…それじゃあ、こうしよう」
顎に手を添え、何かを考え込んでいたアスティが、ふと顔を上げた。
そして、とんでもない作戦を口にする。
その話を聞き終えた瞬間、あたしは迷わず頷いていた。