世界の果てに - 百年の光 -

アスティはずっと眺めていた花をむしり取ると、エルのオレンジの髪に添えた。


「エルひどーい。リオにもお小遣いあげなよ」


「あん?このちびっこに?」


「うん。リオには初めての街だし、少しは遊ばせてあげたら?」


「あー…、わかったよ。わかったから花刺すな」


花を三本エルの髪に添えたところで、アスティは渋々と手を止めた。


エルは手に持つ袋から、乱暴に硬貨を掴むと、あたしに差し出す。


「ほら」


「…え?本当にくれるの?」


思わず目を丸くすると、エルは眉をひそめた。


「いらないならやらねぇぞ」


「や!いりますっ!」


エルから渡された何枚かの硬貨を見つめていると、あることに気がついた。


「あ…」


「あん?足りないとかぬかしたら、ぶっ飛ばすぞ」


「ち、違うよっ!」


何だか物騒なことを言われ、あたしは慌てて首を横に振った。


じゃあ何だよ、という瞳を向けられる。

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