世界の果てに - 百年の光 -
∴この気持ちに、名前を付けるなら
―――……‥
やばいやばいやばい。
こんなの、聞いてないってば―――!
「グルルルル…」
すぐそばで聞こえる、喉を鳴らす音。
ぎゅっと目を瞑りながら、あたしは小さくうずくまっていた。
「―――…」
地面を踏みしめる足音が、徐々に遠ざかっていく。
そこでようやく、あたしは目をそっと開いた。
「た…助かった…」
この数時間の間、あたしは何度も猛獣に出くわした。
…と言っても、あたしが一方的に見つけただけで、すぐ隠れたからなんとかなったんだけど。
それでもまさか、こんなに危険な森だったなんて…。
「そりゃあ、生きていけないよね…」
今までに生け贄になった村人に思いを馳せたところで、ハッと気づく。
―――今まさに、あたしが生け贄になってるじゃん!