世界の果てに - 百年の光 -
ああ、もう絶体絶命だ。
猛獣に挟み撃ちなんかされたら、あたし…
「――――何やってんだ、アホ」
頭上から降ってきた声が信じられなくて、勢いよく顔を上げる。
そこにあったのは、幻かもしれない。
「……………エル?」
ポカンと口を開けるあたしを、偉そうに見下すのは…やっぱり、エルだ。
何でここに…っていうより!
「に、ににに逃げてエルッ!」
「あん?」
「すぐそこに、猛獣がっ…」
慌てて振り返ると、今まさに、猛獣があたしに飛びかかってくるところだった。
大きく開かれた口に、鋭く尖った歯が見える。
…ああ、この感じ。あたしは前にも―――…