世界の果てに - 百年の光 -
そんなエルの態度にムッとしたあたしは、思いっきり舌を突き出した。
「べーっ、だ!あたしだってエルと二人なんか嫌だもん!」
「あん!?何も言ってねぇだろーが!」
「言ってた!目が嫌だって言ってた!」
「あのなぁ、」
「リオは、エルとだよ」
あたしとエルは一斉に口をつぐみ、アスティを見た。
…何故か、すごい笑顔を浮かべている。
「オレといるより、エルといたほうが安全だし。二人は仲良しだし」
「いやいやいや、どこをどう見たら仲良しになんだよ!」
エルの素早い突っ込みも気にせず、アスティはあたしに向かって言った。
「リオ。エルにいろいろ教わっとくといいよ。盗賊の極意とか」
「ご、極意?」
「何だ極意って!知るかそんなん!」
「じゃあ、三時間後にね」
敬礼のような仕草をして、アスティはスタスタと行ってしまった。
…呆然と立ち尽くす、あたしとエルを残して。