世界の果てに - 百年の光 -
どうしたいんだ…俺は。
「……悪い。バカなのは俺だ」
「え…」
「俺は―――…」
ザアッと風が吹き抜け、木々が揺れる。
続きの言葉を探しているうちに、声が響いた。
「―――エル!…リオ!」
二人して、反射的に振り返る。
駆け寄って来るのは、紛れもなく―――…
「アスティ!」
ちびっこが顔を輝かせて名前を呼ぶと、アスティは微笑んだ。
「よかった、二人とも無事―――…」
こっちに向かって進んでいたアスティの足が、ピタリと止まる。
紫色の瞳は、ある一点を凝視していた。
「……もしかしてオレ、邪魔だった?」
…あ。ちびっこの腕、掴んだままだった。