世界の果てに - 百年の光 -
アスティの言葉にいち早く反応したのは、ちびっこだった。
「~~~っ!邪魔じゃない!全っ然邪魔じゃないっ!」
これでもかってくらいに真っ赤な顔で、俺の手を振り払う。
俺が掴んでいた部分を、ちびっこは反対の手で擦った。
「エル、の…バカァ!」
「あん!?そんな強く掴んでねぇだろーが!」
「そういう問題じゃないでしょっ!?」
思わず言い返すと、いつもの喧嘩が始まった。
…けど、これでいい。
ちびっことの距離は、これぐらいがちょうどいいんだ。
―――『俺は―――…』
さっき何て言おうとしたかなんて、自分でも分からない。
分からないから…もう、何も言わなくていい。
「……アスティ」
笑って俺たちを見ていたアスティは、呼ぶだけで訊きたいことが伝わったのか、小さく頷く。