世界の果てに - 百年の光 -
「……無事、原因は解明できたよ」
ははっと笑って、ブイサインを俺たちに向ける。
安堵のため息をつく俺の横で、ちびっこが大袈裟に驚いた。
「ええっ!?じゃあ…村人は助かるの!?」
「うん。ユランの救助隊が、たまたま近くにいてね。さらに応援を要請してくれたから」
「そっか…よかったー…」
ちびっこは、やっと表情を和らげた。
そしてすぐ、何かを思い出したように「あ!」と声を上げる。
「リエラは!?」
…そういや、ここには来てないな。
「リエラは、リエラ…」
「落ち着いて、リオ。リエラなら大丈夫。…生け贄なんて馬鹿馬鹿しい制度、なくなったから」
「本当……?」
体の力が抜けたのか、ちびっこはへなへなと地面に座り込む。
「よかった…!」
その目に光る涙が、やけに輝いて見えた。