世界の果てに - 百年の光 -
∴願う幸せ
―――……‥
エルとリオと合流し、オレたちはプレッタへと戻った。
村は今までの薄暗い感じが嘘だったかのように、活気に満ちていた。
「助かるのよ、私たち…!」
「生け贄にすがらなくても、病に勝てるんだ!」
涙を流して喜んでいる人もいて、こっちとしても救われた気分になる。
生け贄なんて馬鹿げたことが、行われちゃいけないんだ。
「リオ……!」
賑わう村人たちの間を縫って、リエラが駆け寄ってきた。
笑顔に溢れた表情で、そのままリオに抱きつく。
「リオ、やったわ!ありがとう!」
「リエラ…」
リオは優しく微笑んで、リエラを抱きしめ返した。
きっと、この村のことで誰より傷ついていたのは―――リオだと思う。
生け贄。その言葉に、平然としていることはできなかったはず。