世界の果てに - 百年の光 -
バツが悪そうに、エルがオレを睨む。
そんな睨み方されたって、全然怖くないんだけどね。
「……エルに出会う前から、オレの心にいる子は一人だけだよ」
もう、何年も会ってない。話したこともたった一度だけ。
―――それでも、心はあの子に囚われている。
「……一つ、訊いていいか」
「一つでいいの?」
真剣な表情のエルに、笑ってそう返す。
エルは呆れたようにため息をつくと、「一つでいい」と言って続けた。
「―――その気持ちを言葉で表したら、どうなる?」
予想外の質問に、オレはぱちくりと瞬きを繰り返した。
…てっきり、好きなヤツって誰だ?って訊かれると思ったから。
「言葉で、ね…」
「………」
「うーん。…エルにもそのうち分かるよ」
…あれ。思いっきり睨まれた。