世界の果てに - 百年の光 -

「…アスティお前、俺をバカにしてんだろ」


「え、何で」


「質問の答えになってねぇ!」


噛みつくようにそう言われ、オレは肩を竦める。


「だってこればっかりは、自分で気付かないと。…エルもきっと、分かる日が来るよ」


エルは暫く、納得のいかない顔でオレを睨んでいたけど。


やがて諦めたのか、ふう、とため息をついた。


「分かる日、ねぇ…来んのかよ」


「うん。来るよ」


「また適当に言うな」


「男のカンだよ。…それか、相棒のカン?」


「何じゃそりゃ」


可笑しそうに、エルが眉を下げて笑う。


オレは、エルが幸せを掴めるなら、何だっていい。



けど、できればエルに幸せを与えてくれるのが―――リオであるといいな。


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