世界の果てに - 百年の光 -

最後にリエラと握手を交わし、あたしたちは村を出た。


村人たちが次々に駆け寄ってきてお礼を言ってくれたから、村を出るのに大分時間がかかったけど。



「……ったく…俺たち盗賊だぜ?」


やっと違う景色が飛び込んで来た頃、ぐったりしたエルが言った。


「あんなに礼言われてもな…」


「いいじゃない!人助けしたーって気分になれるし」


そう返すと、エルお得意の鋭視線が飛ぶ。


「忘れんなよ。お前が生け贄代わるなんて余計なこと言い出したせいで、出発が遅れたんだからな」


「あたしのせい!?村の状況を話せって、リエラに言ったのはエルでしょ!」


「あん!?もとはと言えばお前が…」


「二人ともストップ。言い合ってる場合じゃないでしょ?」


アスティの言葉に、ぐっと言葉を詰まらせるあたしとエル。


アスティがいなかったら、このまま何時間も言い争ってたに違いない。

< 456 / 616 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop