世界の果てに - 百年の光 -
最後にリエラと握手を交わし、あたしたちは村を出た。
村人たちが次々に駆け寄ってきてお礼を言ってくれたから、村を出るのに大分時間がかかったけど。
「……ったく…俺たち盗賊だぜ?」
やっと違う景色が飛び込んで来た頃、ぐったりしたエルが言った。
「あんなに礼言われてもな…」
「いいじゃない!人助けしたーって気分になれるし」
そう返すと、エルお得意の鋭視線が飛ぶ。
「忘れんなよ。お前が生け贄代わるなんて余計なこと言い出したせいで、出発が遅れたんだからな」
「あたしのせい!?村の状況を話せって、リエラに言ったのはエルでしょ!」
「あん!?もとはと言えばお前が…」
「二人ともストップ。言い合ってる場合じゃないでしょ?」
アスティの言葉に、ぐっと言葉を詰まらせるあたしとエル。
アスティがいなかったら、このまま何時間も言い争ってたに違いない。