世界の果てに - 百年の光 -
目ざといエルは、あたしの緩んだ表情に気付いたみたいで。
「お前、アメルティカには観光に行くんじゃねぇからな」
…と、釘をさされた。
そんなこともちろん分かってる。アメルティカに行くのは、あたし自身の戦いのため。
でも…お祭りだよ!?
「オーガとの待ち合わせより早く着いたら、少し散歩するくらいならできるんじゃない?」
アスティが微笑みながら、あたしに向かって言った。
その瞬間、あたしは顔を輝かせる。
「本当!?ありがとうアスティ!…よし、早く行こう!」
気合い十分なあたしに、可笑しそうに笑うアスティ。隣のクリスも笑っている。
エルが「一日三時間の訓練忘れんなよ」とか言ってるけど無視。
…アメルティカに近付くにつれて、高まる不安。
その不安以上の楽しみを、あたしは見つけたい。
あたしがこの世界にいれる時間は、きっと―――あと、僅か。