世界の果てに - 百年の光 -
そんなあたしをよそに、アスティがのんびりと言った。
「……リオ、宿探しは難しいかもね」
「え!?何で!?」
わけわかんない!…と全身で訴えると、エルが長い指をあたしの後方へ向ける。
釣られて振り返ると、そこには。
ーーーーー人、人、人。
さっきはアメルティカに着いた喜びで気付かなかったけど、国は溢れんばかりの人で賑わっていた。
「す、ご……何?何があるの?」
思わずそう言葉を漏らすと、たまたま近くを通ったおじさんが振り返る。
「何だお嬢ちゃん、知らないのか?」
「え?」
「三日後に、式典が行われるんだよ!」
おじさんは大口を開けて豪快に笑うと、そのまま人混みに紛れてしまった。
どこか楽しそうな表情を浮かべ、行き交う人々。
あたしは口をポカンと開けたまま、その光景を眺めていた。