世界の果てに - 百年の光 -

それでもあたしは、できるだけ低姿勢で食い下がる。


「オーガとの待ち合わせだって、あさってでしょ?ずっとピリピリしてても、疲れるだけだと思うんだけどな~…」


「浮かれてるよりマシだ」


「……エルの堅物」


低姿勢はどこへやら、あたしは不機嫌な態度でボソッと呟く。


エルのこめかみがピクリと動いたけど、そんなの知らない。



…だって、最後なんだよ。


この世界にいられる、最後の国の、最後のお祭りなんだよ。



そんなこと、絶対に口に出しては言えないけど、分かって欲しかった。


でもそれは、あたしの我が儘なのかな…?


「ーーー今日だけだぞ」


頭上から降ってきた言葉に、知らずに俯いていた顔を上げる。


琥珀色の瞳が、真っ直ぐにあたしを捉えた。


「今日だけだ。それに、情報収集も欠かさないって誓え」


……ああ。やっぱり、エルだ。


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