世界の果てに - 百年の光 -
せっかく大国に辿り着いたのに、野宿だなんて悲しすぎる…。
「さて、どうすっか」
エルがため息と共にそう言うと、後ろからパタパタと走る音が聞こえた。
見ると、さっきのおばさんが宿から駆け寄って来る。
「あんたたち、ちょっと待ちな!」
「え?」
「オレンジ、栗色…そして黒」
おばさんは、あたしたちを上から下までじっくりと見ると、うんうんと頷いた。
「やっぱりそうだ。…あんたたち、オーガ様のお知り合いだね?」
「………!」
オーガの名前が出てきたことで、咄嗟に顔を見合わせる。
あたしたちが声を発する間もなく、おばさんは嬉しそうに続けた。
「お友達なんだろう?来たら泊めてやってくれって仰るから、部屋を空けてあるんだよ!」
お友達、って…。
なんとも言えない言い回しに、思わず苦笑する。