世界の果てに - 百年の光 -
そんなあたしを横目で捉えつつ、エルが口を開いた。
「そりゃ、有難い。遠慮なく部屋借りるぜ」
「もちろんさ!」
豊かな胸を張った後、おばさんは何かを急に思い出したようにハッとした。
「どうしたの?」
アスティがそう訊ねると、おばさんは困った顔をしてあたしを見る。
「いや、ね…。部屋は一部屋しかないんだけど、大丈夫かい?」
ーーーーーはい?
バタン、と背後で扉が閉まる。
「………おい」
その場から一向に動こうとしないあたしに、エルがイライラしながら言った。
「ぼけっと突っ立ってんな。誰もちびっこなんか取って食いやしねぇよ」
「んなッ!」
「…リオ、オレたちってそんなに信用ない?」
あたしのエルに対する怒りは、悲しそうに眉を下げたアスティの言葉で萎む。