世界の果てに - 百年の光 -
捨てられた子犬みたいな瞳で見られたら、さすがに言葉が詰まった。
「…し、信じてないわけじゃ……」
もごもごとそう答えると、エルからため息が返ってきた。
「じゃあ信じろ。こんな大事な時に、んなバカなことはしねぇよ」
「………」
そう、だよね。
いくら同じ部屋だからって、世界が傾いているこの時に…何不安がってるんだろ、あたし。
「ごめんね…エル、アスティ」
俯きながら小さく謝ると、カタン、と椅子が動く音に顔を上げる。
真面目な表情をしていたエルが、急にニヤリと笑った。
「もし期待してんなら、押し倒してやろうか?」
「…は!?」
一拍置いて意味を理解すると、あたしの頬が一気に熱を持つ。
「ぬ、な、何言ってんの!?」
もつれた舌でなんとかそう言うと、エルが噴き出した。
隣にいたアスティまでもが肩を揺らしていて、からかわれていたことに気付く。