世界の果てに - 百年の光 -
ひどい!と思わず怒鳴ろうとして、やめた。
こんな悪ふざけをするのも、あたしの緊張を解こうとしてるだけなんだって気付いたから。
「…ふんだ!まだ寝るには早いし、情報収集行くわよっ!」
それでも素直にお礼を言うわけにはいかず、口を尖らせてそう言った。
口元に笑みを浮かべたまま、アスティが頷く。
「そうだね。リオとエルは置いて、オレだけで行くって手もあるけど」
「~アスティ!」
「あはは、冗談だよ」
再び顔を真っ赤にするあたしの横を、アスティがひょいと通りすぎる。
「先に下りて、クリスにご飯あげてくるね」
からかうように笑って、アスティは階段を下りていく。
残されたあたしは、ちらりとエルに視線を向けた。
「ーーーーー行くぞ」
「へ?」
「行かねぇのかよ」
「あ、行く!」
てっきりまたからかわれるかと思ったあたしは、エルの普通の態度に反応が遅れた。