世界の果てに - 百年の光 -
その態度が不満なわけじゃないけど、何かしっくりこない。
「オラ。ぼけっとしてんな」
「わっ」
エルはあたしの額をコツンと叩いたあと、アスティと同じように階段を下りていく。
その姿が見えなくなってから、あたしは我に返ってエルを追った。
宿を出て、すぐ隣にある馬小屋へ行くと、クリスにご飯をあげるアスティと、壁にもたれるように立っているエルが目に入る。
「あ、リオも来たね。それじゃあ行こうか」
アスティが微笑んで立ち上がると、すぐに「あ」と声を上げた。
「そういえばリオ、体流したいって言ってなかったっけ?」
「…あ…すっかり忘れてた」
この国着いた時には、頭の中はそればっかりだったのに。
さっきのやり取りで完璧に抜け落ちていた。
「まぁ、あとでいいや!今は外歩きたい気分だしっ」
あははと笑うと、壁にもたれたままのエルと視線がぶつかる。