世界の果てに - 百年の光 -
いつものように憎まれ口を叩くわけでもなく、かといって視線を逸らすわけでもないエル。
…ダメだ。こんなエルと同じ部屋に閉じ込められるくらいなら、ずっと外にいたい。
「……んーと、」
吸い込まれるように、エルを見つめていたあたしの耳に、アスティの声が届く。
「それじゃあ、またあとでね。2人とも」
「「………は?」」
恐ろしいくらいにピッタリと、エルとあたしの声が重なる。
オマケに、口をポカンと開けているところまでそっくりだ。
「ちょっと待て。何言ってんだお前」
いち早く冷静さを取り戻したエルが、眉を寄せて言う。
「何って、これから情報収集でしょ?分かれた方が効率いいし」
「だからって、何で俺がちびっことなんだよ」
「そ、そそそそそうだよ!」
なんとかそう返すと、アスティは何故か微笑んだ。
「言った者勝ちだね」
「………おい」
口元をひきつらせながら、エルが呆れたように言う。
いや、なんかもう、あたしもアスティの考えが分からない!