世界の果てに - 百年の光 -

………‥‥

城下町は、三日後の式典に向けて賑わっている。


近くの露店で記念品とやらを売っていた男の人に話を聞くと、どうやら一年に一度、国王が国民の前に顔を出す日らしい。


「………ったく、呑気なもんだよな」


隣を歩くエルがため息と共にそう溢すと、あたしは苦笑した。


「そうだね。…あたしを生け贄にしようとしてるのが、その国王なんだもんね」


きっと誰も信じてくれないだろうねー、なんて力なく笑う。


そんなあたしの横顔を、エルの視線が捉えていることに気付いたけど振り向けない。



…国王が、顔を見せる日。


それを式典と称し、国全体が盛り上がりを見せている。国王の姿を自分の目で見ることを、国民が楽しみにしている。


その光景を見れば、少なくとも国王が慕われているのが分かってしまう。


「…別にいいだろ」


「え?」


「俺とアスティ…それに、オーガがいる」


真っ直ぐに前を向いたままの言葉に、あたしは目を丸くした。


続けて、堪えきれずに小さく噴き出す。


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