世界の果てに - 百年の光 -
じろりと睨まれ、あたしは肩を小刻みに震わせながら口を開いた。
「や、ごめ…だってエル、あんなにオーガのこと嫌ってそうだったのに」
「別に嫌ってねぇよ。…イラつくだけだ」
「同じじゃん!」
ケラケラと笑うと、エルが顔をしかめるのが分かった。
…もしかしたら、空元気だってばれてるのかもしれない。
それでも、何も言ってこないエルに感謝した。
あたしの腰の辺りで、スラリと伸びた長剣が揺れている。
本来なら、そんなモノを手に持つことすらなかったと思う。
平穏な日々を、ただなんとなく生きてるだけだったかもしれない。
「…みんな、楽しそう」
周りの様子を見てポツリと呟いた言葉に、エルが口を開いた。
「…お前だって、楽しみにしてただろ」
「まぁね!…だって、お祭りだよ?お祭り!」
「式典だろ」
「…いいの!似たようなものでしょっ」
べえっと舌を突き出すと、フン、と鼻で笑われる。